• 2025年6月4日
  • 2025年6月2日

3,眠れない夜の救世主?むずむず脚症候群の原因と背景に迫る

夜中に脚の不快感で眠れない。なぜこんな症状が起きるのだろう?もしかして、どこか悪いところがあるのかも…?そんな疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。**むずむず脚症候群(RLS)**は、原因がはっきりしないこともありますが、近年、そのメカニズムが少しずつ解明されつつあります。原因を知ることは、適切な治療や日々の対策を考える上でとても重要です。


むずむず脚症候群の主な原因:脳内の物質がカギ?

むずむず脚症候群は、主に脳内の神経伝達物質であるドーパミンの機能異常と、鉄分の不足が深く関わっていると考えられています。

  • ドーパミンの機能異常: ドーパミンは、脳内で運動の調節や快感、意欲などに関わる重要な神経伝達物質です。むずむず脚症候群の患者さんでは、このドーパミンの働きが低下している、あるいはうまく伝達されていないことが指摘されています。特に夜間や安静時に症状が悪化するのは、ドーパミンの活動が日中に比べて低下するためではないかと考えられています。このため、ドーパミンの働きを補う薬が治療に使われることが多いのです。
  • 鉄分の不足: 脳内の鉄分不足も重要な原因の一つです。鉄はドーパミンの生成に不可欠な栄養素であり、鉄分が不足するとドーパミンの生成がうまくいかず、むずむず脚症候群の症状を引き起こすことがあります。採血で貧血がなくても、脳内の鉄が不足しているケースもあるため、血液中の「フェリチン」という貯蔵鉄の値を調べることが診断の一助となります。

遺伝的要因や他の病気との関連性も

むずむず脚症候群は、遺伝的な要素も指摘されており、ご家族に同じ症状を持つ方がいる場合もあります。また、以下のような他の病気や状態が原因となって発症する「二次性むずむず脚症候群」もあります。

  • 鉄欠乏性貧血: 最も一般的な原因の一つです。
  • 腎不全(特に透析患者さん): 腎臓の機能が低下していると、体内のミネラルバランスが崩れやすくなります。
  • 糖尿病: 神経障害を引き起こす可能性があります。
  • 妊娠: 特に妊娠後期に症状が出やすく、出産後に改善することが多いです。
  • 特定の薬剤の使用: 一部の抗うつ薬、抗ヒスタミン薬、吐き気止めなどが症状を悪化させることがあります。

このように、むずむず脚症候群の原因は一つだけとは限りません。ご自身の生活習慣や既往歴、服用している薬などを詳しく医師に伝えることが、原因を特定し、適切な治療へと繋がる大切なステップとなります。当クリニックでは、患者様一人ひとりの背景を丁寧に伺い、症状の根本原因を探るお手伝いをさせていただきます。

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