• 2025年5月26日

8. 病気を治すより「管理する」? 医療の目的が変容した現代

あなたは、医師から「この薬は一生飲み続けましょう」と言われたことはありませんか? 高血圧や糖尿病、脂質異常症といった慢性疾患において、この言葉はもはや「常識」のように受け止められています。しかし、病気を「治す」のではなく「管理する」という現代医療の目的は、私たちに何をもたらしているのでしょうか。

確かに、薬の進歩により、かつては致死的な病気も、症状を抑制し、進行を遅らせることが可能になりました。これは素晴らしい医療の発展です。しかし、「管理」とは「完治」とは異なります。薬によって症状がコントロールされている間も、病気の根本原因が解決されない限り、薬の服用を止めれば症状は再燃する可能性があります。

この「管理」というアプローチは、患者に長期的な薬の服用を促し、結果として製薬会社や医療機関に継続的な利益をもたらす構造と無関係ではありません。病気を「治しきってしまう」よりも、「症状を安定的に管理し続ける」方が、経済的にもシステム的にも継続しやすい側面があるのです。

患者としては、症状が安定していれば「治っている」と錯覚しがちですが、それはあくまで薬による一時的な状態です。この「管理」に慣れてしまうと、私たちは「完治」という本来の目標を見失い、薬に頼り続けることが当たり前になってしまいます。

薬に頼り、症状を「管理」し続ける生活は、果たして本当に望ましい健康状態と言えるでしょうか? 私はそうは思いません。私たちは、薬を卒業し、自身の力で真の健康を取り戻す「完治」を目指すべきです。

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