- 2025年5月22日
4. 現代医療が「予防」に弱い理由とは? 病気が生まれる構造的な問題
なぜ、これほど医療が進歩しているのに、病気は増え続けているのでしょうか? そして、なぜ現代医療は「予防」に十分な力を注げていないのでしょうか?
現在の西洋医学は、主に「病気になった後の治療」に焦点を当てて発展してきました。病気を特定し、その症状を抑え、治療するための薬や手術、治療法を開発することに多大な労力が注がれています。もちろん、これにより多くの命が救われ、苦痛が和らげられてきたことは間違いありません。
しかし、その一方で、「そもそも病気にならない体を作る」という予防医学の分野には、十分な力が及んでいないのが現状です。これは、病気を「治療」することに直接的な経済的メリットがある医療システムや、製薬業界の構造にも一因があると考えられます。病気が存在し、薬が消費されることで利益が生まれる仕組みの中で、「病気にならない」ことに積極的に投資されにくい側面があるのです。
結果として、多くの人が、病気になってから慌てて病院に行き、症状を薬で抑えるという対症療法を繰り返すことになります。しかし、根本的な生活習慣の乱れやストレスが改善されない限り、病気は形を変えて現れたり、水面下で進行したりする可能性が高いのです。
予防医学が軽視されることは、個人の健康寿命が短くなるだけでなく、国の医療費が高騰し続ける原因にもなります。病気になる前に、自らの生活を見直し、健康を育むこと。それは、個人にとっても社会にとっても、最も賢明な選択と言えるでしょう。
私たちは、病気にならないために、何ができるのか? その答えは、薬の外にある「あなた自身の生活」の中にこそ見つかるはずです。