• 2025年5月22日

3. 「薬の副作用」は氷山の一角? 知られざる多剤併用のリスク

あなたは今、何種類の薬を飲んでいますか? もし複数の薬を服用しているなら、この記事は特に注意して読んでいただきたい内容です。

「薬には副作用がある」ということは、多くの人が認識しているでしょう。薬の説明書を見れば、めまいや吐き気、発疹など、ずらりと副作用が記載されています。しかし、問題はそれだけではありません。複数の薬を同時に服用すること、いわゆる「多剤併用」には、単一の薬では起こりえない、より複雑で予測不能なリスクが潜んでいるのです。

想像してみてください。異なる薬が体内で混ざり合うことで、それぞれの薬が予期せぬ化学反応を起こしたり、効果を打ち消し合ったり、あるいは副作用を増強させたりすることがあります。これを「薬物相互作用」と呼びます。例えば、ある薬が別の薬の吸収を妨げたり、代謝を遅らせて体内に薬が残りすぎたりする、といったケースです。

このような多剤併用は、特に高齢者に多く見られます。複数の診療科にかかることで、各医師が処方する薬の全体像が把握されにくくなり、気づかないうちに薬が増えてしまう「ポリファーマシー」という問題も深刻化しています。

その結果、新しい症状が現れたり、体調が思わしくないと感じたりしても、それが薬の副作用なのか、それとも別の病気なのか区別がつかなくなり、さらに薬が増えるという悪循環に陥ることも少なくありません。

あなたの身体は、あなたが思うよりもずっと複雑で繊細です。飲んでいる薬について、全てを把握していますか? 薬を飲む際は、その効果だけでなく、他の薬との組み合わせによる潜在的なリスクも十分に理解し、疑問があれば必ず医師や薬剤師に相談する。それが、あなたの身体を守る上で非常に重要な一歩となります。

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