- 2026年9月23日
- 2026年8月24日
記事6:冷え症と間違えられやすい病気~適切な診断の重要性~
「いつも体が冷たいけど、これは体質だから仕方ないのかな?」「冷えのせいで体のあちこちが痛い…」。冷え症は、多くの場合、体質や生活習慣の乱れが原因と考えられますが、その症状が他の病気と似ているため、自己判断や誤った診断に繋がってしまう可能性があります。適切な治療を受けるためには、何よりも正確な診断が不可欠です。
冷え症と間違えられやすい主な病気としては、以下のようなものが挙げられます。
- 甲状腺機能低下症: 甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気で、全身の代謝が落ちるため、冷え、疲労感、むくみ、便秘、体重増加、気分の落ち込みなどの症状が現れます。
- 低血圧: 血圧が低いと、体の末端まで血液が十分に循環せず、冷えを感じやすくなります。立ちくらみやめまいを伴うこともあります。
- 貧血: 赤血球が少なく、酸素を運ぶ力が低下するため、全身の血行が悪くなり、冷えや倦怠感、息切れなどが起こります。特に女性に多いです。
- レイノー病(レイノー現象): 寒さやストレスによって、手足の指の血管が発作的に収縮し、白く、次に紫色、そして赤くなるという色の変化を伴う病気です。膠原病などの自己免疫疾患に伴って起こることもあります。
- 閉塞性動脈硬化症: 足の血管が動脈硬化によって狭くなり、血流が悪くなる病気です。歩くと足が痛くなり、休むと回復するという症状(間欠性跛行)が特徴で、重症化すると足の潰瘍や壊死に繋がることもあります。
- 末梢神経障害: 糖尿病や外傷などによって末梢神経が損傷すると、手足のしびれや冷感、痛みなどが生じることがあります。
- 膠原病: 全身の結合組織に炎症が起こる病気の総称で、リウマチや強皮症など、冷えや血行障害を伴うものもあります。
- 精神疾患(うつ病、不安障害など): ストレスや精神的な不調が自律神経の乱れを引き起こし、冷えの症状を強めることがあります。
これらの病気と症状が重複するため、自己判断せずに、必ず専門医の診察を受けることが不可欠です。
冷え症の診断は、主に患者さんの詳細な問診と、他の病気を除外するための検査によって行われます。症状の種類(手足の冷え、全身の冷えなど)、症状の程度、冷えを感じやすい状況、冷え以外の症状(疲労感、むくみ、月経不順など)、生活習慣、既往歴などを詳しく伺います。必要に応じて、以下のような検査を行うこともあります。
- 血液検査: 貧血、甲状腺機能、血糖値などを確認し、隠れた病気を調べます。
- 血圧測定: 低血圧の有無を確認します。
- 血管検査: レイノー病や閉塞性動脈硬化症が疑われる場合に行われることがあります。
誤った診断のまま、単なる冷え性だと放置してしまうと、隠れた病気の発見が遅れたり、冷え症の症状が改善しなかったりする可能性があります。当院では、心療内科の専門医として、患者さんの体の冷えの状況を丁寧に伺い、正確な状態把握と適切なアドバイス、治療方針をご提案することで、患者さんが本来の健やかな生活を取り戻せるよう全力でサポートいたします。「もしかして」と感じたら、ためらわずに専門医にご相談ください。
