• 2026年8月28日
  • 2026年7月15日

第10回:もし目の前で人が倒れたら?熱中症の緊急応急処置マニュアル

これまで熱中症の症状や診断、日頃の予防策について連載形式で解説してきました。最終回となる今回は、万が一の事態への備えです。猛暑の環境下において、家族や同僚、あるいは公共の場で目の前の人物が熱中症を疑わせる症状で倒れた場合、迅速かつ正確な対応が求められます。熱中症は1分1秒の遅れが重篤な結果を招くため、以下の緊急応急処置マニュアルを遵守してください。

🚨 熱中症における応急処置の4ステップ

  • ステップ1:意識の確認と安全な場所への避難 声をかけ、明瞭な反応があるか確認します。返答がおかしい、または意識がない場合は直ちに救急車(119番)を要請します。その後、風通しの良い涼しい場所(日陰や冷房の効いた室内)へ速やかに移動させます。
  • ステップ2:衣服の弛緩と体表の冷却 ネクタイ、ベルト、衣服のボタンなどを緩め、体内の熱が放出されやすい状態を作ります。露出した皮膚に水を霧吹きなどで吹きかけ、うちわや扇風機で送風し、気化熱によって体温を下げます。
  • ステップ3:太い血管の通る部位をピンポイント冷却 保冷剤や冷たいペットボトルを使用し、「首の両脇」「脇の下」「太ももの付け根(股関節)」を集中心に冷やします。これにより、効率的に深部体温を低下させることが可能です。
  • ステップ4:慎重な水分・塩分補給 意識が完全に明瞭であり、本人が自力で飲める場合のみ、経口補水液やスポーツドリンクを与えます。意識障害がある場合は誤嚥(気道への流入)の危険があるため、絶対に水分を口に入れてはなりません。

救急隊が到着するまでのこれらの一連の初期対応が、患者の予後を大きく左右します。パニックに陥らず、まずは「冷却」を最優先に行動してください。日頃からの正しい知識と備えが、大切な人の命を救う鍵となります。

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