• 2026年3月8日
  • 2026年3月2日

3. 胃もたれ・早期飽満感の正体:機能性ディスペプシア(PDS型)の原因と対策

「食後に胃が重くて苦しい」「少し食べただけでお腹がいっぱいになってしまう」。そんなつらい症状が続いているのに、胃カメラでは異常がないと言われ、途方に暮れていませんか?これは、**機能性ディスペプシア(FD)**の中でも特に多い、「食後愁訴症候群(PDS:Postprandial Distress Syndrome)」の症状かもしれません。今回は、このタイプの機能性ディスペプシアの原因と、日常生活でできる対策について詳しく解説します。

食後愁訴症候群(PDS)とは?

食後愁訴症候群(PDS)は、機能性ディスペプシアの主要なタイプの一つで、主に食後に以下の症状が現れるのが特徴です。

  • 胃もたれ: 食後、胃の中に食べ物が長く留まっているような不快感。胃が重い、張るといった感覚が続く。
  • 早期飽満感: 食事を始めてすぐに満腹感を感じてしまい、それ以上食べられない感覚。

これらの症状が慢性的に続き、かつ胃カメラなどの検査で胃や十二指腸に潰瘍や炎症などの明らかな異常が見られない場合に診断されます。

PDS型機能性ディスペプシアの主な原因

PDS型の機能性ディスペプシアは、主に胃の「動き」と「感覚」の異常が複雑に絡み合って生じると考えられています。

  1. 胃の動きの異常(胃排出能の低下):
    • 食べ物が胃から十二指腸へ送り出されるスピードが遅くなることで、胃の中に食べ物が長く留まってしまい、胃もたれや早期飽満感の原因となります。
    • 胃がうまく収縮・弛緩できない「胃の運動機能障害」が関与していると考えられます。
  2. 胃の適応性弛緩の障害:
    • 食事をすると胃が広がり、食べ物を受け入れる「適応性弛緩」という働きが低下していると、少量でもお腹がいっぱいになりやすく、早期飽満感を引き起こします。
  3. 胃の過敏性(内臓知覚過敏):
    • 胃が膨らんだり、食べ物が入ってきたりする刺激に対して、胃の神経が通常よりも敏感に反応してしまうことで、不快感や満腹感を強く感じてしまいます。
  4. ストレス・自律神経の乱れ:
    • ストレスは自律神経のバランスを乱し、胃の動きや感覚をコントロールする神経系に悪影響を与えます。これが胃排出能の低下や知覚過敏を引き起こす一因となります。
  5. その他の要因:
    • 食生活(早食い、脂っこい食事など)、喫煙、アルコールなども症状を悪化させる可能性があります。

PDS型機能性ディスペプシアの対策

PDS型の症状を和らげるためには、薬物療法と併せて、日常生活でできる対策を積極的に取り入れることが重要です。

  • 食生活の改善:
    • 少量頻回食: 一度に食べる量を減らし、回数を増やすことで胃への負担を軽減します。
    • よく噛んでゆっくり食べる: 消化を助け、胃の働きをサポートします。
    • 脂っこい食事を控える: 脂肪分は胃に長く留まるため、胃もたれの原因になりやすいです。
    • 刺激物を避ける: 香辛料やカフェイン、アルコールなどは胃を刺激することがあります。
  • 生活習慣の見直し:
    • ストレスマネジメント: ストレスは胃の機能に大きく影響します。リラックスできる時間を作る、適度な運動をする、十分な睡眠を取るなど、ストレスを溜めない工夫をしましょう。
    • 禁煙: 喫煙は胃の血流を悪化させ、症状を悪化させる可能性があります。
  • 胃の動きを助ける薬:
    • 消化管運動改善薬(例:アコチアミドなど)が、胃の動きを改善し、症状を和らげるために処方されることがあります。

当クリニックでは、患者さんの胃の不調の原因を丁寧に探り、PDS型の機能性ディスペプシアと診断された場合も、薬物療法と日常生活のアドバイスを組み合わせた最適な治療プランをご提案いたします。つらい食後の胃もたれや早期飽満感にお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。

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