- 2026年2月2日
- 2026年1月25日
9,アトピー性皮膚炎Q&A:よくある質問と専門医からの回答
アトピー性皮膚炎に悩む多くの患者さんやそのご家族は、日々のケアや治療について様々な疑問や不安を抱えています。「食事制限は必要?」「ステロイドは怖い?」といった素朴な疑問から、症状を和らげるための具体的な方法まで、多くの質問が寄せられます。ここでは、アトピー性皮膚炎に関してよくある質問と、それに対する専門医からの回答をQ&A形式でご紹介します。
Q1: アトピー性皮膚炎は食事制限が必要ですか?
A1: 一部の乳幼児のアトピー性皮膚炎では、卵、牛乳、小麦などの食物アレルギーが症状悪化に関与することがあります。この場合、医師の指導のもと、一時的に原因食物を除去することが有効な場合があります。しかし、自己判断による過度な食事制限は、栄養不足や成長阻害のリスクがあるため、絶対に避けてください。成人アトピー性皮膚炎では、食物アレルギーが症状の直接的な原因となることは稀です。基本的には、バランスの取れた食事が大切です。
Q2: ステロイド外用薬は副作用が心配で使いたくありません。
A2: ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の炎症を強力に抑える最も効果的な治療薬です。不適切な使用で皮膚が薄くなる、毛細血管が浮き出るなどの副作用は確かに存在しますが、医師の指示に従い、適切な強さの薬を、適切な量と期間で使用すれば、過度に心配する必要はありません。副作用のリスクよりも、炎症を放置して症状が悪化するデメリットの方が大きいことが多いです。疑問や不安があれば、医師や薬剤師に相談してください。
Q3: 保湿剤はどれを選べばいいですか?たくさん種類があって迷います。
A3: 保湿剤は、大きく分けてワセリンなどの「油性基剤」、ヘパリン類似物質やセラミド配合製剤などの「クリーム・ローションタイプ」があります。肌質や症状の程度、季節、塗る部位によって最適なものが異なります。乾燥が強い場合は油性基剤を、べたつきが気になる場合はローションタイプを選ぶと良いでしょう。ご自身の肌に合うかどうかが最も重要ですので、いくつか試してみるか、医師や薬剤師に相談して選ぶことをお勧めします。
Q4: アトピー性皮膚炎でも温泉やプールに入れますか?
A4: 症状が落ち着いている時であれば、温泉やプールに入っても問題ないことが多いです。しかし、塩素や温泉成分が刺激になる場合もありますので、入浴後はシャワーで体をよく洗い流し、すぐに保湿するようにしましょう。炎症が強い時や、肌に傷がある時は、感染症のリスクがあるため、医師に相談して判断してください。
Q5: かゆみが止まりません。どうすれば良いですか?
A5: 掻きむしりによる悪化を防ぐためにも、かゆみ対策は非常に重要です。
- 冷やす: かゆい部分を清潔なタオルで包んだ保冷剤などで冷やすと、一時的にかゆみが和らぎます。
- 保湿: 乾燥しているとかゆみが増すので、こまめに保湿剤を塗りましょう。
- 爪の手入れ: 掻いても皮膚を傷つけないよう、爪は常に短く、丸く整えましょう。
- 医師への相談: 市販薬で改善しないかゆみは、我慢せずに医師に相談し、適切な内服薬(抗ヒスタミン薬など)や外用薬を処方してもらいましょう。
Q6: 「脱ステロイド」という言葉を聞きますが、どうなのでしょうか?
A6: 「脱ステロイド」は、医師の指導なく自己判断でステロイドの使用を中止することです。これは、非常に危険な行為であり、急激な症状の悪化(リバウンド)を招き、治療をより困難にする可能性が非常に高いです。ステロイドは正しく使えば有効な薬であり、量を徐々に減らしていく「減量療法」は可能ですが、必ず医師の管理下で行う必要があります。信頼できる医師と相談しながら、症状をコントロールしていくことが最も大切です。
アトピー性皮膚炎は、正しい知識と適切な治療、そして日々のケアで症状をコントロールできる病気です。疑問や不安があれば、決して一人で抱え込まず、皮膚科の専門医にご相談ください。
