- 2026年1月27日
- 2026年1月25日
3,アトピー性皮膚炎の正しい診断方法:専門医が行う検査とプロセス
「この肌荒れ、アトピーなのかな?」「病院に行ったらどんな検査をするんだろう」。アトピー性皮膚炎の疑いがあっても、診断プロセスが分からずに不安を感じる方は少なくありません。アトピー性皮膚炎は、その症状が他の皮膚疾患と似ている場合もあるため、皮膚科などの専門医による正しい診断が不可欠です。ここでは、医師がどのようにアトピー性皮膚炎と診断していくのか、そのプロセスと検査方法について解説します。
診断の基本は「問診と視診」
アトピー性皮膚炎の診断は、患者さんの詳細な情報と皮膚の状態を直接確認することから始まります。
- 詳細な問診: 医師は、以下のような点を詳しくお伺いします。
- いつから症状に気づいたか: 発症時期や経過。
- 具体的な症状: かゆみの強さや時間帯、湿疹の場所や種類(赤み、乾燥、ジクジク、ゴワつきなど)。
- アレルギーの既往歴・家族歴: 患者さん自身やご家族に、喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎などのアレルギー疾患があるか。
- 生活習慣: 普段のスキンケア、入浴方法、衣類、ストレス、睡眠、ペットの有無など。
- 服用中の薬: 現在使用している薬やサプリメント。 患者さんからの情報は、診断の重要な手がかりとなります。
- 視診(目視での確認): 医師が直接、皮膚の状態を詳しく観察します。
- 特徴的な湿疹の形と分布: アトピー性皮膚炎に特徴的な、左右対称の湿疹(顔、首、肘の内側、膝の裏など)や、乾燥、苔癬化(皮膚のゴワつき)の有無を確認します。
- かゆみによる掻き傷や痕: 掻きむしりによる皮膚の損傷や色素沈着なども確認します。
診断をサポートする検査
問診と視診でアトピー性皮膚炎が疑われる場合、他の病気を除外したり、アレルギーの傾向を把握したりするために、いくつかの検査が行われることがあります。
- 血液検査:
- 血清IgE値: アレルギー反応に関わる「IgE抗体」の総量を測定します。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、この数値が高くなる傾向がありますが、正常な場合もあります。
- 特異的IgE抗体検査(RAST検査、MAST検査など): 特定のアレルゲン(ハウスダスト、ダニ、花粉、食物など)に対するIgE抗体の量を測定します。これにより、患者さんが何に対してアレルギー反応を起こしやすいかを知る手がかりになります。ただし、検査結果が陽性でも必ず症状が出るわけではなく、あくまで参考情報として活用されます。
- パッチテスト: 特定の物質が皮膚に触れることでアレルギー反応を起こす「接触皮膚炎」の有無を調べるために行われることがあります。アレルギーが疑われる物質を皮膚に貼り付け、24〜48時間後に皮膚の反応を確認します。
他の皮膚疾患との鑑別が重要
アトピー性皮膚炎は、症状が他の皮膚疾患と似ていることがあります。正確な診断のためには、これらの疾患との鑑別(見分け)が非常に重要です。
- 接触皮膚炎(かぶれ): 特定の物質が皮膚に触れることで炎症を起こす。
- 脂漏性皮膚炎: 皮脂の分泌が多い部位にできる湿疹。
- 尋常性湿疹: 原因が特定できない一般的な湿疹。
- 疥癬(かいせん): ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生して起こるかゆみ。
これらの病気は治療法が異なるため、自己判断せずに専門医による診断を受けることが大切です。当クリニックでは、患者さんの症状を詳細に評価し、必要に応じた検査を行いながら、アトピー性皮膚炎の正確な診断と、一人ひとりに最適な治療計画をご提案します。つらいかゆみや湿疹に悩んでいるなら、ぜひ一度ご相談ください。
