- 2026年1月12日
- 2025年12月26日
7,喘息と合併しやすい病気:アレルギーマーチと関連疾患
気管支喘息は、呼吸器の病気ですが、実は体全体のアレルギー反応や免疫システムと深く関連しています。そのため、喘息の患者さんは、喘息以外の様々な病気を合併しやすいことが知られています。特に、乳幼児期からアレルギー疾患が連鎖して発症する「アレルギーマーチ」という現象は、喘息の背景を理解する上で非常に重要です。喘息だけでなく、合併しやすい病気についても知ることで、より包括的なケアが可能になります。
アレルギーマーチとは?アレルギー疾患の連鎖
アレルギーマーチとは、乳幼児期にアトピー性皮膚炎を発症し、その後、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎といったアレルギー疾患が、あたかも行進するように次々と発症していく現象のことです。全ての子どもに起こるわけではありませんが、アレルギー体質を持つ子どもによく見られます。
このアレルギーマーチの考え方は、一つのアレルギー疾患が他のアレルギー疾患の発症リスクを高める可能性を示唆しており、喘息を考える上で重要な視点となります。
喘息と合併しやすい主な病気
喘息の患者さん、特にアレルギー性喘息の患者さんには、以下のような病気が合併しやすい傾向があります。
- アトピー性皮膚炎: 皮膚のバリア機能が低下し、慢性的な炎症とかゆみを伴う皮膚病です。喘息とアレルギーマーチの中で最も早く現れることが多い疾患です。
- アレルギー性鼻炎・結膜炎: ハウスダスト、ダニ、花粉などが原因で、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が起こる病気です。喘息患者さんの約70%にアレルギー性鼻炎が合併していると言われており、鼻の炎症が喘息の悪化につながることもあります。
- 慢性副鼻腔炎(蓄膿症): 鼻の奥にある副鼻腔という空洞に炎症が長期間続く病気です。鼻づまりや鼻水、後鼻漏(鼻水が喉に流れる症状)、顔面の痛みなどを引き起こします。喘息と慢性副鼻腔炎は密接に関連しており、副鼻腔炎の治療が喘息の改善につながることもあります。
- 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、胸焼けや喉の違和感、そして慢性的な咳を引き起こす病気です。胃酸の逆流が気道を刺激し、喘息を悪化させたり、発作の引き金になったりすることがあります。
- 肥満: 肥満は喘息の重症化リスクを高め、治療の効果を低下させることが知られています。脂肪組織が炎症性物質を分泌したり、横隔膜の動きを妨げたりすることが、喘息に悪影響を及ぼすと考えられています。
- 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態が繰り返される病気です。これにより睡眠の質が低下し、喘息のコントロールが悪化したり、夜間の発作が増えたりすることがあります。
全身的な視点での管理の重要性
このように、気管支喘息は単独で存在する病気ではなく、他のアレルギー疾患や全身の状態と密接に関連しています。そのため、喘息の症状だけでなく、他の合併症の兆候にも目を向け、必要に応じてそれらの病気の診断や治療も同時に行うことが、喘息の良好なコントロールには不可欠です。
当クリニックでは、喘息の専門的な治療はもちろんのこと、患者さんの全身のアレルギー状態や健康状態を総合的に評価し、必要に応じて関連する検査や、他科の専門医との連携も積極的に行います。一つの病気だけでなく、体全体を診ることで、より根本的な改善と、患者さんの生活の質の向上を目指します。
喘息でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。私たちは、あなたの健康を多角的にサポートいたします。
