• 2025年12月10日
  • 2025年12月8日

3. 顎関節症の主な原因:歯ぎしり、食いしばり、そしてストレスの関係

「アゴが痛いのは、もしかして歯ぎしりのせい?」「ストレスで食いしばっちゃってるのかな…」。顎関節症に悩む多くの方が、その原因について漠然とした疑問や不安を抱えています。実は、顎関節症の発症には、歯ぎしり食いしばり、そしてストレスが深く関係していることが分かっています。これらの関係性を理解することは、症状の改善や予防に繋がります。

顎関節に過度な負担をかける「歯ぎしり」と「食いしばり」

私たちは通常、食事や会話の時以外は上下の歯を離しています。しかし、無意識のうちに歯を強く噛み合わせたり、ギリギリとこすり合わせたりする癖がある方は少なくありません。

  • 歯ぎしり(ブラキシズム): 主に睡眠中に起こる、上下の歯をこすり合わせる動きです。「ギリギリ」という音がするため、ご家族に指摘されて気づくことが多いでしょう。
  • 食いしばり(クレンチング): 昼夜を問わず、上下の歯を強く噛みしめる癖です。音がしないため、自覚がないことが多いですが、集中している時やストレスを感じている時に無意識に行っていることがあります。日中の食いしばりは**TCH(歯列接触癖)**とも呼ばれ、顎の筋肉に持続的な負担をかけます。

これらの癖は、通常の食事の何倍もの力が顎関節や歯にかかると言われています。結果として、顎関節を構成する組織(関節円板、関節包、靭帯など)に炎症や損傷を引き起こしたり、顎を動かす筋肉が過度に緊張して硬くなったりすることで、顎関節症の症状が現れるのです。

見過ごされがちな「ストレス」の大きな影響

現代社会において、ストレスは避けて通れない問題ですが、実はストレスは顎関節症の非常に大きな要因となります。

  • 筋肉の緊張: ストレスを感じると、自律神経の働きによって体全体の筋肉が緊張しやすくなります。顎の周囲の筋肉も例外ではなく、常に力が入った状態になることで、顎関節への負担が増加します。
  • 歯ぎしり・食いしばりの誘発: ストレスは、無意識の歯ぎしりや食いしばりを悪化させる引き金となります。特に精神的な緊張が強い時や、不安を感じている時ほど、症状が出やすい傾向があります。
  • 痛みの感じ方: ストレスによって痛みの閾値が下がり、わずかな顎の不調でも強く痛みを感じやすくなることもあります。

歯ぎしりや食いしばりを自覚していない方でも、日中のストレスが原因で顎の筋肉が慢性的に緊張しているケースは少なくありません。

顎関節症の治療では、顎にかかる物理的な負担を軽減することと同時に、ストレスケアや生活習慣の見直しも非常に重要です。もし、アゴの痛みに悩んでいるなら、ご自身の歯ぎしりや食いしばり、そしてストレスの状態について一度見直してみましょう。当クリニックでは、これらの原因を多角的に評価し、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療計画をご提案いたします。

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