• 2025年8月28日

1. 意思に反して体がねじれる、震える…ジストニアとは?その原因と症状を解説

「首が勝手に傾いてしまう」「手が震えて字が書けない」「まぶたがピクピクする…」。これらの症状は、あなたの意思とは関係なく、特定の筋肉が収縮し続けることで起こる、ジストニアと呼ばれる神経系の病気かもしれません。ジストニアは、見た目の不随意運動だけでなく、痛みや精神的な苦痛も伴うため、患者さんの日常生活に大きな影響を及ぼします。この記事では、ジストニアの基本的な知識、その原因、そして具体的な症状について詳しく解説します。


ジストニアってどんな病気?

ジストニア(Dystonia)は、「筋肉の緊張異常(Dys-tonia)」を意味する言葉で、持続的な、または断続的な筋肉の収縮によって、体がねじれたり、繰り返される不自然な姿勢や動作が現れる運動障害の一種です。この症状は、本人の意思でコントロールすることができず、特定の動作を行った時や、精神的なストレスがかかった時に悪化することがあります。

ジストニアは、パーキンソン病やジスキネジアと混同されることがありますが、それぞれ異なる病態です。ジストニアは、体の「動き」そのものだけでなく、「ねじれ」や「不自然な姿勢」が特徴的です。


なぜジストニアは起こるの?その原因は?

ジストニアの根本的な原因は、脳内の運動を司る部分(特に大脳基底核)の機能異常にあると考えられています。大脳基底核は、体の動きをスムーズに、正確に行うための「ブレーキ役」のような役割を担っています。このブレーキ役がうまく機能しなくなると、特定の筋肉に「収縮しろ」という信号が過剰に送られ続け、ジストニアの症状として現れます。

ジストニアの原因は多岐にわたり、大きく以下の3つに分類されます。

  1. 一次性(原発性)ジストニア:
    • 他の神経症状や脳の病気がなく、ジストニア症状のみが現れるタイプです。
    • 多くの場合、遺伝的要因が関わっていると考えられています。
  2. 二次性(症候性)ジストニア:
    • 脳卒中、頭部外傷、脳炎、脳腫瘍、特定の薬剤(特に抗精神病薬や吐き気止めなど)の副作用など、他の病気や要因が原因でジストニアが発症するタイプです。
  3. ジストニア・プラス:
    • ジストニア症状に加え、パーキンソン病のような別の神経症状(手足の震え、運動の緩慢さなど)も伴うタイプです。

ジストニアの具体的な症状と分類

ジストニアの症状は、症状が現れる部位によって分類されます。

  1. 全身性ジストニア:
    • 全身の広範囲な筋肉に症状が現れるタイプです。
    • 小児期に発症することが多く、症状は進行性です。
  2. 局所性ジストニア:
    • 体の一部(1つの部位)の筋肉に症状が現れる最も一般的なタイプです。
    • 頸部ジストニア(痙性斜頸): 首の筋肉が不随意に収縮し、首が傾いたり、ねじれたり、前後に曲がったりします。最も頻度の高い局所性ジストニアです。
    • 眼瞼痙攣(がんけんけいれん): 両側のまぶたの筋肉が不随意に収縮し、目が開けられなくなったり、頻繁に瞬きを繰り返したりします。
    • 書痙(しょけい): 字を書こうとする時だけ、手が震えたり、腕が不自然に曲がったりします。
    • 口顎ジストニア: 顎や舌、口の周りの筋肉が不随意に収縮し、うまく話せなくなったり、食事に支障をきたしたりします。
    • 発声ジストニア(痙攣性発声障害): 声帯の筋肉が不随意に収縮し、声が震えたり、途切れたりします。
  3. 分節性ジストニア:
    • 複数の隣接する部位に症状が現れるタイプです(例:首と腕など)。
  4. 多巣性ジストニア:
    • 複数の隣接しない部位に症状が現れるタイプです(例:顔と足など)。

早期発見と対応の重要性

ジストニアの治療は、原因薬剤の調整や、症状を和らげるための薬物療法、ボツリヌス毒素注射などが中心となります。症状の診断が遅れると、精神的な苦痛が大きくなったり、症状が固定化したりすることがあります。

もし、ご自身やご家族に上記のような不随意運動が見られる場合は、放置せずに、まずは神経内科を受診することをお勧めします。早期に適切な診断と治療を受けることで、症状の進行を食い止め、QOL(生活の質)を保つことが可能になります。当クリニックでは、ジストニアに関するご相談にも応じており、患者さんの状態を詳しく伺い、適切なアドバイスや治療法の提案を行っております。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

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