• 2025年8月16日
  • 2025年8月8日

9、線維筋痛症Q&A:よくある質問と専門医からの回答

全身の痛みや疲労感、不眠に苦しむ線維筋痛症は、まだ社会的な認知度が低いこともあり、多くの患者さんが「これは一体何なのか?」「どうすれば良いのか?」といった疑問や不安を抱えています。ここでは、線維筋痛症に関して患者さんからよく寄せられる質問と、それに対する専門医からの回答をQ&A形式でご紹介します。


Q1: 線維筋痛症の診断は、どんな検査をするのですか?

A1: 線維筋痛症には、特定の血液検査や画像診断(レントゲン、MRIなど)で異常が見つかるような特異的なマーカーはありません。そのため、診断は主に医師による詳細な問診と、他の病気(関節リウマチ、甲状腺機能低下症など)を除外する検査によって行われます。問診では、痛みの範囲、性質、強さ、持続期間、睡眠障害や疲労感などの併発症状の有無について詳しくお伺いします。必要に応じて、血液検査などで他の病気の可能性がないかを確認することもあります。


Q2: 線維筋痛症の治療は、どれくらいの期間続ける必要がありますか?

A2: 線維筋痛症は慢性的な経過をたどることが多いため、治療は長期にわたることが一般的です。症状の程度や個人差によって異なりますが、数ヶ月から年単位で治療を継続し、症状をコントロールしていくことになります。症状が落ち着いたからといって自己判断で治療を中断すると、再燃する可能性があるため、医師と相談しながら継続していくことが大切です。


Q3: 線維筋痛症でも、仕事や家事を続けることはできますか?

A3: 痛みの強さや疲労の程度は個人差が大きいため、一概には言えません。しかし、適切な治療とセルフケアによって症状がコントロールできれば、仕事や家事を続けることは十分に可能です。無理なく続けられるよう、職場での理解を求めたり、家事の負担を減らす工夫をしたりすることも重要です。休職や退職を考える前に、まずは専門医にご相談いただき、症状改善に向けた治療計画を立てていきましょう。


Q4: 食事で気を付けることはありますか?特定の食べ物が症状を悪化させますか?

A4: 線維筋痛症と特定の食品との明確な因果関係は確立されていませんが、患者さんによっては、小麦製品や乳製品、特定の添加物が症状を悪化させると感じることがあります。また、カフェインやアルコールは睡眠の質を低下させ、痛みを悪化させる可能性があるため、摂取を控えることをお勧めします。バランスの取れた食事を心がけ、ご自身で「これは症状を悪化させるかも」と感じるものがあれば、一時的に避けて様子を見るのも良いでしょう。


Q5: 家族や周囲の人は、私の痛みを理解してくれません。どうすればいいですか?

A5: 線維筋痛症は見た目には分からないため、周囲に理解されにくいことが患者さんにとって大きな精神的負担となります。まずは、ご家族や身近な人に、線維筋痛症が「気のせい」ではなく、客観的な異常が見えにくい病気であること、そしてご自身がどのような症状で困っているのかを具体的に説明することが大切です。パンフレットや情報サイトなどを活用し、病気について知ってもらうのも良い方法です。当クリニックでも、ご家族への説明やサポートについてご相談に応じることができます。


線維筋痛症は、決して一人で抱え込む必要のある病気ではありません。正しい知識を持ち、疑問や不安があれば専門医に相談し、適切な治療とサポートを受けることが、症状改善への大切な一歩となります。

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