• 2025年8月8日

記事1:飲み込みにくい、詰まる…その症状、「食道アカラシア」かもしれません

「食べ物がうまく飲み込めない」「喉や胸のあたりで詰まってしまう」「ご飯の後に吐き気がする…」。もしあなたが、このような症状に頻繁に悩まされているなら、それは「食道アカラシア」のサインかもしれません。食道アカラシアは、食べ物や飲み物が胃へうまく送れなくなる、食道の機能的な病気です。最初は軽い違和感から始まることも多く、単なる「飲み込みすぎ」や「ストレス」と自己判断してしまいがちですが、進行すると日常生活に大きな支障をきたしてしまうこともあります。

食道は、口から胃へ食べ物を運ぶための筒状の臓器です。通常、食べ物が食道に入ると、食道の筋肉が波打つように収縮して、胃へと送り出されます。また、食道と胃の境目には「下部食道括約筋(LES)」という筋肉があり、これが食べ物を胃に送る際に緩み、胃酸の逆流を防ぐ役割をしています。

食道アカラシアでは、この下部食道括約筋がうまく緩まないだけでなく、食道本体の蠕動運動(食べ物を送り出すための波打つ動き)も低下または消失してしまうことが特徴です。そのため、食べ物が胃にスムーズに到達せず、食道内に溜まってしまい、様々な症状を引き起こすのです。

主な症状としては、飲み込みにくさ(嚥下困難)、胸のつかえ感、胸の痛み、吐き気や嘔吐(未消化の食物を吐き出す)、体重減少、夜間の咳や喘息様症状(誤嚥による)、げっぷなどが挙げられます。これらの症状は、最初は軽いものから始まり、徐々に悪化していく傾向があります。冷たいものや固形物が飲み込みにくいと感じる方も多いです。

もしこれらの項目に当てはまる場合、食道アカラシアの可能性も考えられます。放置すると栄養状態の悪化や誤嚥性肺炎のリスクも高まります。自己判断せずに、まずは専門医の診察を受けることが何よりも大切です。当院では、患者さんの症状を丁寧に伺い、適切な診断と治療方針をご提案します。

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