- 2025年6月10日
9.サトワ医療に残された課題と、治療に時間を要する場合
サトワ医療は多くの「奇跡的」な回復事例を生み出してきましたが、全ての患者さんが同じように短期間で劇的な改善を遂げるわけではありません。この点について、私たちは誠実に向き合い、サトワ医療に残された課題と、治療に時間を要するケースについて深く考察します。書籍では、患者さんの病態の深さ、発症からの期間、心の癖の根深さ、そして患者さん自身の「治りたい」という意欲や、治療への主体的な関わり方といった様々な要因が、治療期間に影響を与えることを具体的に説明しています。例えば、長年にわたる慢性疾患や、幼少期からの深いトラウマを抱えている場合、心身に深く刻み込まれたパターンを変えるには、それなりの時間と継続的なアプローチが必要となります。また、患者さん自身が治療に対して抵抗感を抱いたり、心の変化を受け入れる準備ができていなかったりする場合には、その壁を乗り越えるためのサポートも重要になります。サトワ医療は、即効性を求めるだけでなく、患者さんが自己と深く向き合い、内側から変化していくプロセスを重視します。そのため、時には数ヶ月、あるいはそれ以上の期間を要することもあります。この治療期間において、私たちは患者さんとの信頼関係を築き、焦らず、しかし着実に回復へと導くための最善のアプローチを探求し続けます。今後のサトワ医療の発展に向けては、どのような患者さんに、どのようなアプローチが最も効果的であるかをさらに明確にし、より多くの人がサトワ医療の恩恵を受けられるよう、研究と実践を深めていくことが重要であると認識しています。私たちは、これらの課題に真摯に取り組みながら、サトワ医療をより普遍的な治療法へと昇華させていくことを目指しています。