03-3535-2280 診療予約
診療時間
9:00~12:00 / 14:00~18:00
休 診 日
水曜・日曜・祝日

東京都中央区銀座1-6-16 銀座1616ビル4階Google Mapを表示する

BSCブログ

2017年41 クリニック

健康とは何か(次世代の予防医療④)

模擬症例:軽症うつ病

 

33歳男性。仕事が忙しく、毎日のように残業に追われていました。
週末は子供の相手で、趣味のゴルフで気分転換することもできません。
就職して約八年、即戦力として会社から期待され始め残業が増えていきましたが、家に帰っても子供の夜泣きで熟睡できず、疲労が重なるばかり。
乳児の面倒を見るのに忙しい妻は、愚痴を聞いてはくれません。

 

彼は長年、人に頼って生きてきたため、いざ追い込まれると逃げる癖がついていました。
困難を乗り越える努力をしなかったために、成功体験による自尊感情が育っていません。
自信がないのにプライドは高く、弱音を吐けない性分です。
無理とわかっていても、頼まれると二つ返事で仕事を引き受けてしまい、負担が増えていく一方でした。

 

この辛さを誰もわかってくれないという思い、孤独感が、次第に男性を追い詰めていきました。
思考が働かない、物事を冷静に考えられない状態が続き、しだいに向精神薬で現状をやり過ごす事だけが目標となっていました。

 

症状は一進一退を繰り返していたのですが、通院して一年経ったある日、転機が訪れます。
子供の小学校の入学式で、我が子が知らない子と話しているのを目にします。
この間までオムツをしていたのに、親の手を離れて自分の世界を作り出していこうとしているではありませんか。
その姿は嬉しくもあり寂しくもありましたが、このとき何かがふっきれました。

 

教えられたわけでもないのに、人は成長するのです。
もしかしたら自分にも自然と良くなる力があるのではないか。
このときの気持ちはうまく言葉にはできませんでしたが、命の神秘に触れ、心に光が差した瞬間だったと言います。
これをきっかけに、彼はそれまであまり興味がなかった生活改善に少しずつ取り組むようになりました。
(このとき、ふと「なんとなくやってみようかなと思った」そうです)

 

不調の原因となる、体内に蓄積された未消化物を減らすべく、健康的な食事、自然法則に則した生活を始めると、状況が少しずつ変わってきました。
「生命力」も上がっていき、少しずつ自己をコントロールする力強さが身についてきました。

 

職場は相変わらず忙しいですが、ストレスを前ほど感じなくなり、無体な注文は断ることもできるようになりました。
その結果、仕事を能率よくこなし、充実した日々をすごせるようにもなりました。
今でも向精神薬は飲んでいますが、その量はかつてよりもずっと減り、いきいきと生きています。

一覧へ戻る